よくある質問
トランスの寿命は、一般的には10~20年程度ですが、使用環境(温度・湿度・負荷条件)や絶縁材料の種類によって異なります。高温・過負荷環境では寿命が短くなるため、適切な放熱・定格余裕を持たせる設計が重要です。
電源装置の寿命は、構成部品や使用環境によって異なりますが、一般的なスイッチング電源では5〜10年程度が目安とされています。特に寿命を左右する主要部品は電解コンデンサで、温度・負荷・通電時間に大きく影響されます。
納入日または検収日から1年間です。弊社製トランスおよび電源装置は、出荷前に全数検査を実施し、設計・製造・検査工程において弊社品質管理基準を適用しています。
モーターの容量を目安としてトランスの定格容量を概算することは可能ですが、正確なトランス設計にはモーター容量以外の情報も必要です。モーターは始動時や負荷変動時に定格以上の電流を流すため、始動方式や負荷特性を考慮した余裕設計が重要です。
設計時に必要な主な情報
1. モーター容量(kW または HP)
2. 電源電圧(V)と相数(単相/三相)
3. 始動方式(直入れ始動/スター・デルタ始動/インバータ駆動など)
4. 始動電流倍率(直入れの場合、定格の5〜7倍になることが多い)
5. 負荷特性(ファン・ポンプなど慣性負荷か、コンプレッサーなど衝撃負荷か)
6. 使用環境条件(周囲温度、設置場所、運転時間)
トランスの故障は、主に熱・電気・機械的ストレスのいずれか、または複合的な要因で発生します。以下に代表的な原因を示します。
1. 熱的要因(過熱による絶縁劣化)
過負荷運転
定格容量を超える電流が長時間流れることで巻線温度が上昇し、絶縁材が劣化。
冷却不足
設置場所の通風不良や放熱設計不足で内部温度が上がる。
周囲温度の高さ
高温環境では絶縁寿命が加速的に短くなる(10℃上昇で寿命半減する場合も)。
2. 電気的要因
サージ電圧・雷害
落雷や開閉サージによる絶縁破壊。
短絡(ショート)
二次側短絡や一次側異常による過大電流で巻線や端子部が損傷。
過電圧
設計電圧を超える入力が長時間加わり、絶縁系にダメージ。
3. 機械的要因
振動・衝撃
運転中や輸送中の振動で巻線や絶縁紙が擦れ、短絡の原因に。
固定不良
コアや巻線の固定が弱く、共振やノイズ増加につながる。
4. 環境要因
湿気・結露
絶縁抵抗低下や腐食を引き起こす。
粉塵・塩害
端子部でリーク電流や腐食が進行。
腐食性ガス
接点や導体の酸化・硫化による接触不良。
*寿命延長のための対策
*定格より余裕を持った容量選定
*適切な冷却(自然空冷・強制空冷)
*サージ吸収素子や保護リレーの設置
*定期的な絶縁抵抗測定や外観点検
*運転環境の温湿度・清浄度の管理
はい、弊社ではPSE、UL、CEなどの各種安全規格に準拠した製品の設計・製造が可能です。また、製品によっては規格認定品としての製作にも対応しております。
弊社では、お客様のご要求に対応すべく、製品の長期安定動作と安全性を確保するため、さまざまな信頼性試験を実施しています。代表的な実施例は以下の通りです。
1. 環境試験
高温連続運転試験(通電状態での耐熱性評価)
周囲温度40〜80℃での長時間動作確認
低温試験(-20℃または-40℃での動作確認)
温度サイクル試験
高温と低温を繰り返すことで熱膨張・収縮による部品ストレスを確認
湿熱試験(高温高湿環境での絶縁劣化評価)
例:60℃・90%RHで数百時間の保持試験
2. 電気的試験
耐電圧試験(高電圧印加による絶縁強度確認)
絶縁抵抗試験(規格値以上の絶縁性能を確認)
過負荷試験(定格の120〜150%負荷での耐久性評価)
突入電流試験(モーターやコンデンサ負荷時の瞬時電流耐性確認)
短絡耐量試験(二次側短絡時の耐性評価)
3. 機械的試験
振動試験(輸送時や稼働時の振動耐性評価)
衝撃試験(落下や輸送時衝撃の耐性確認)
端子強度試験(端子やリード線の引張耐性確認)
4. 長期信頼性評価
連続通電試験(定格負荷または耐久負荷での長期動作確認)
寿命加速試験(高温高負荷条件下での加速評価)
負荷サイクル試験(ON/OFF繰り返しによる耐久評価)
5. 規格準拠試験
PSE(電気用品安全法)、UL、CEなどの規格に準拠した安全試験
IEC規格に基づく環境・電気的ストレス試験
お客様の用途や使用環境に応じて、上記以外のカスタム信頼性試験にも対応可能です。評価データや試験報告書の提供も承ります。
はい、弊社では該当製品について、輸出貿易管理令に基づく該非判定を行い、必要に応じて該非判定書の作成に対応可能です。
誠に申し訳ございませんが、約20年前に製作された当該製品につきましては、弊社の生産管理システム導入以前の製造であり、システム上での生産記録や部材使用履歴の確認ができない状況です。
また、社内に保管しておりました当時の製作仕様書や部材管理資料もすでに廃棄されており、使用材料の抑えが取れないため、PCB(ポリ塩化ビフェニル)不使用の証明書(不使用証明書)の発行には対応ができません。
弊社は、低周波から高周波まで幅広い各種トランスの製作実績を有しております。基板実装可能な小型タイプから、三相動力用の大型タイプまで対応可能です。
国内製品については、少量生産から付加価値の高い特殊仕様品を中心に製作しております。また、海外製品によるご提案も可能で、コスト・納期・仕様に応じた最適な選択肢をご提供できます。
特に弊社の強みは、電源設計者とトランス設計者が社内に在籍している点です。これにより、スイッチング電源回路とのマッチングを考慮した最適なスイッチングトランス設計が可能です。回路特性と磁気設計を一体で検討することで、より高効率かつ信頼性の高い電源ソリューションをご提案できます。